当社の提携先であるイスラエルのネメシスコ社が開発した「InTone ai .Risk」の

前回のブログ（ブログ55）に書いたように、当社の提携先であるイスラエルのネメシスコ社が開発した「InTone Ai Risk感情解析」は保険に対する詐欺防止の方法を革新しました。このブログではネメシスコ社のブログを参考にこの効果を説明したいと思います。

保険業界での詐欺防止(Fraud Prevention)とは

前回のブログで紹介したように、日本では保険請求の2.8%が不正であったと2018年の金融庁レポートに記載されていますし、昨今世間で話題になっているビッグモーター社の組織的な車両保険不正など、保険金詐欺は保険業界に大きな損害をあたえるばかりではなく、保険料の値上げという形で一般保険加入者にも被害を及ぼします。また、新型コロナ対策の持続化給付金やワクチン接種業務でも不正申告は数十億円規模に上っていると言われています。
保険会社側ではこの対策として、職員相互でのレビュー、専門監査官の配置、データ分析手法の導入などで対応してきており、それはそれで効果を発揮していると思うのですが、時間と費用がかかることがネックとなっていました。

「InTone Ai Risk感情解析」の導入

「InTone Ai Risk感情解析」はAIを用いた不正検出・防止のための強力なツールです。これは高度な自然言語処理を用いて話者（保険申告者）の発声パタンの微妙な変化を検出します。この発声変化は申告者が詐欺を行おうと思っていることを示しています。
この精度は信じがたい程高く、95%以上であるとネメシスコ社の専門家は主張しています。この高精度な検出能力により保険会社は不正申告を短時間で検出し、詐欺防止対策に迅速に移行できます。不正額の削減ばかりでは無く、保険会社のコストも大幅に削減できます。
また、前回ブログで強調させていただきましたが、不正申告ではないことも迅速にわかります。この場合には迅速に支払い手続きに進むことにより、顧客満足度を高めかつ保険会社の事務コストを低減することができます。

保険金詐欺のパタンと対策

保険金詐欺は保険金請求段階、保険加入段階、保険申請確認段階で行われると言われています。保険金請求詐欺は既に保険に加入している被保険者が物損、盗難、車の事故や故障などを保険会社に申請する段階で、損害額を実際よりも多めに申告するなどの段階で発生します。保険金加入段階では保険料が少なくなるように収入を過少申告したり、確認段階では提出必要資料内容をあえて不明確に言うなどが行われます。
またどの保険会社でも、同じ電話応対者と2度話す可能性は低いので、詐欺師は必要に応じて話を変え、保険会社の審査をすり抜けようとします。
これらの詐欺パタンに対して、声紋認証で話者を特定し、その話者の発声パタンの変化を「InTone Ai Risk感情解析」により検出し虚偽を言っている確率を示し、その確率値がある一定以上なら、その通話を専門審査官にすぐに回して詳細に内容を聞くようにしているとのことです。

AIと音声技術のさらなるメリット

AIや音声技術には不正検知以外にもメリットがあります。監査可能な証跡を容易に提供することができます。保険業界はかつてないほど厳しい監視下に置かれているため、この高度なテクノロジーと連携することで、将来的に規制当局に証拠を提出する必要が生じた場合に備えて、より適切な記録を残すことができます。日本では、このテクノロジーの導入はまだ進んでいませんが、海外では著名な保険会社や政府系機関での導入が進んでいます。当社はこの画期的なテクノロジーは保険会社の強い味方になり得ると信じており、ご関心のある方はお問合せください。

以上