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音声活用ブログ

音声感情解析システムがビジネスの現場でどのように使われているのか、その有効性は何かということについて

2023.05.15

Nemesysco社コールセンターお知らせマーケット

52 ビジネスで音声感情解析システムはどのように使われるのか(連載1) 《感情を可視化することのビジネス上のメリット》

「なぜ音声から感情がわかるのか」についてブログ48~50で解説しましたが、では音声感情解析システムがビジネスの現場でどのように使われているのか、その有効性は何かということについては解説しませんでした。以前のブログで断片的に述べた部分もありますが、以降のブログでこれを解説する連載記事を掲載予定です。個別の事例は次回連載以降に譲り、1回目の本記事は、感情を可視化することのビジネス上の特性とメリットと課題を述べたいと思います。

 

現在、音声感情解析システムの使われ方の主なものを列挙すると次のようになります。

 

コールセンターでの活用

    • 顧客対応シナリオの作成支援
    • アウトバンドコールの販売活動支援
    • 顧客の解約阻止トーク支援
    • オペレーターの離職気分の検出と対応

 

人事部門

    • 採用活動支援(面接者の性格把握)
    • 人事評価支援
    • 従業員間の相性の把握
    • 運転手当日勤務の正常性チェック

 

営業部門

    • 顧客理解度認識支援
    • 顧客購買意欲の推定
    • プレゼン支援

 

会計事務所・コンサルタントファームでの活用

    • 記者会見や業績発表での発言者信用度の評価
    • 信用調査での経営者評価

 

情報機関・警察での活用

    • 捜査活動
    • 取り調べの進行支援
    • 入出国管理

 

医療機関や企業の健康管理部門での活用

    • ストレスチェック
    • 躁鬱の早期発見

 

 

リモートミーティングでの活用

    • 参加者理解の把握
    • 参加者の気分把握

 

ロボット組み込み

    • 受付対応ロボット
    • 癒しロボット
    • 独居老人健康管理

 

エンタメ

    • カラオケ採点
    • バラエティ番組での愛情チェック

 

教育現場

    • 生徒の理解度の把握
    • 学習意欲の把握

 

等々、世界中のいろいろなところでいろいろな使われ方をしています。詳しい使われ方、メリット、目的などは今後のブログで紹介する予定です。

 

今回のブログでは、音声感情解析テクノロジーのどのような特性が、さまざまな使われ方の源になっているかを述べたいと思います。これに関してはさまざまな意見があると思いますが、筆者は次のように考えています。

 

  • 感情の数値化

感情が高ぶると声のトーン、表情、姿勢、心拍数、発汗、血圧、脳の血流、などが通常時とは変化することは誰でも経験することです。人の声の調子を聞くと、その人は「少し怒っている。」のか「激怒している。」のかが何となくわかります。しかし、その人の最大怒りレベルに対して○○パーセントの数値で怒っているとは言えません。人は何となく話者の怒りの程度を推量することしかできません。特定の経験者が評価者となり被験者の感情の程度を5段階程度に評価するのがせいぜいです。

音声以外(表情、姿勢、心拍数、発汗、等)による感情解析テクノロジーでは、感情の数値化はほとんどできず、感情の程度をアバウト(少し、普通、強い、非常に強い)に表現できるだけです。

現状では唯一、音声による感情解析テクノロジーだけが感情を20、55とか、87とかのデジタルな数値として表現できるテクノロジーです。これにより、感情をコンピューターでデータ処理できるようになり、感情解析テクノロジーの応用範囲が一気に広がったのです。

 

  • 自動化

感情の数値化がコンピューターで可能になると、特定の経験者が被験者の感情の程度を評価する必要がなくなります。コンピューターと音声感情解析ソフトがあればだれでも被験者の感情を数値化可能です。すなわち被験者の感情程度数値の取得を自動的かつ同時大量に行うことに道が開けたのです。

 

  • 専門評価者の不要化と恣意性の排除

自動化ができるということは、特定の評価者の恣意性を排除できるということも意味します。辛く評価する試験官と、甘く評価する試験官での評価の差を気にする必要はもはやなくなりました。公平に被験者の感情を評価する手段が手に入ったということです。また、そもそも専門の評価者は必要なくなりました。人事の面接官になる人は感情を読む特別のトレーニングを受ける必要はなく、面接官を選ぶ母数が圧倒的に広がることを意味します。

 

  • 感情測定の容易性

パソコンにソフトをインストールすればだれでも被験者の感情を測定できるようになりました。ポリグラフ検査機で、血圧、脈拍、呼吸、皮膚電気反応などの生理反応を測定するような大掛かりな仕掛けはもはや不要です。

 

  • リアルタイム性

音声による感情測定は、測定と解析に要する時間が秒以下の時間の為、声をマイクロホンで取得したらすぐに感情数値が現われます。すなわちリアルタイムで被験者の感情推移を観測できるようになります。したがってコールセンター業務のようなオペレーターとお客様の感情推移を知ることが重要な意味をもつ業務に音声感情解析テクノロジーを適用することができます。また、ロボットに組み込むことが可能なのもリアルタイムに感情を把握できるからです。

 

いかがでしょうか?音声感情解析テクノロジーは他のテクノロジーでは実現できない優れた特性を持っています。次回以降では音声感情解析テクノロジーの現実のビジネスへの適用について少し詳しく述べる予定です。

 

以上


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