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音声活用ブログ

海外では公共福祉にも音声感情解析の応用例が拡がってきました。

2022.09.06

Nemesysco社お知らせテクノロジーマーケット

テーマ:

38 用途が拡がるコロナ時代の音声感情解析

海外では社会問題の解決にも音声感情解析が使われています。

当社の提携先であるイスラエルの音声感情解析ソフト開発会社Nemesysco社のホームページに、彼らが開発したLayered Voice Analysis (LVA)テクノロジーを使ってコロナ時代の社会問題解決に取り組んでいる事例が紹介されていますのでこのブログで概要を紹介します。
尚、LVAは当社の警察捜査や企業内監査用の音声感情解析ソフトESAS FI(Forensics and Investigation)の基本ソフトウエアとして採用されています。

いつ終わるかもわからないコロナ時代に突入して2年以上経ってしまいました。このために仕事や家庭が上手く行かなくなり、人々の健康や幸福に大きな影響を与え、ストレスを抱えがちな人が増えているような気がします。実際、令和元年から2年にかけて、外出する人が減った分だけ一般犯罪は減っていますが、家庭内暴力(配偶者からの暴力相談件数や児童虐待通告件数)は増えています。(注1)

犯罪統計(官房長官発表 「令和3年の犯罪情勢」)
DV統計 (官房長官発表 「令和3年の犯罪情勢」)
児童虐待統計(官房長官発表 「令和3年の犯罪情勢」)

自治体は住民の福祉を維持向上させる責務を負っていますし、企業は従業員のそれを高める必要があります。「スマートシティでは、LVAテクノロジーを使って地方自治体は住民とより良好なコミュニケーションをとることが可能になりますし、自治体サービスの質の向上に役立ちます。人々が音声通話でオペレーターとコンタクトした会話あるいは音声自動応答システムに応答したときの会話から人々がどのように感じているかを理解することができるからです。」とNemesysco社のCEOであるアミール・リバーマン氏は話しています。

音声解析とその多くのアプリケーション

  一般的に、音声解析テクノロジーは人間の声を処理して、音声ベースの ID 検証、自動音声認識 (ASR) または音声テキスト変換プロセスによるコンテンツの識別、抑揚に基づく一般的な感情の洞察など、さまざまな種類の情報を抽出します。

  Nemesysco 社のLVA は、話者の言語、使われている語彙、イントネーションには関係なく、話者の本当の感情を検出する独自の機能を備えています。この技術は、オープンな会話に現れる人間の声の不随意な(本人が意識的に変えることのできない)生理学的変化を検出および測定することにより、人の本当の感情状態を明らかにするように設計されています。さらに、人工知能 (AI) を搭載した LVA テクノロジにより、実際的な解析結果をリアルタイムで表示して時系列的な感情データの統計解析を可能にします。もちろん個人情報保護にも十分に対応しています。

  Nemesysco の音声解析は犯罪捜査でますます使用されており、不幸な事件や犯罪を積極的に防止しています。海外事例ですが、Nemesysco はラテンアメリカの大きな地区自治会が犯罪と戦うのを支援しました。自動化されたソフトでのアンケートを使用して、約 500 人の従業員にインタビューを行いました。このシステムにより従業員の 25 人が犯罪行為に関与しており、約 30% が職場で不適切な行動に関与していることが明らかになりました。その後、管理者がこれらの兆候を詳細捜査し、コミュニティをより安全にし、他の従業員への信頼を取り戻すためのアクションを取ったことが報告されています。

  Nemesysco社によると、この技術は、スマートシティで他のさまざまな場面で使われているとのことです。音声感情解析を利用して自治体職員応募者の適性の評価、IVRにこの技術を組込んだ感情を認識できるIVRボットによる市民へのより良いサービスの提供、公共に関心の高いトピックに関してコミュニティがどう感じているかを解析する手段などにも使用されているとのことです。

  「スマートシティが進化すると、増え続ける市民に様々な良好なサービスを提供しなければなりません。このためには個人を理解することが重要です。これは、まさに AI を活用した LVA が支援できることです」と、Liberman 氏はインタビューで付け加えています。

 音声感情解析を用いて困難な時代にうまく対処する

  音声解析は、コロナ時代に注目を集めており、一般的なストレスの多い環境から長期にわたる失業、在宅勤務から社会的孤立に至るまで、今日の困難な環境下で人々の感情幸福度を評価する応用事例が見つかっています。また、住民にサービスを提供するオペレーターの健康状態を評価し、彼ら彼女らの苦痛や疲労を検出するためにも使用されており、管理者が是正措置を講じているそうです。

 音声感情解析の今後の用途の拡がり

  多くの人々が過去に経験したことの無い、コロナや戦争の時代に我々は置かれています。このような時代には公共の福祉向上や犯罪抑止に従前に増して関心が高まっています。Nemesysco社のホームページで紹介されているように、諸外国では音声感情解析技術を公共福祉増進・犯罪抑止に適応しいくつか成功事例が出始めています。

  当社でも、日本の社会で公共サービスの質的向上の為に音声感情解析技術を積極的に利用する時代が間もなく到来すると認識しています。まだまだ検討段階ですが、当社は今後この分野で様々な用途開発を行い社会的貢献に資したいと考えております。

WRITER

都筑 一雄

都筑 一雄

ESジャパン株式会社
エグゼクティブアドバイザー

慶応義塾大学及び東北大学大学院で物理学専攻。修士課程修了後、日本電気(NEC)に36年間勤務。製品開発、システム構築、事業部運営、欧州合弁会社立上げ等、役割は変化したが一貫して音声関連の通信事業に関与。NEC退職後は滋賀県彦根市役所の行政情報化担当特別顧問を5年間務め、退任後、ESジャパン株式会社の設立発起人として創業に関与し現在に至る。