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43 コールセンターと音声感情解析を組込んだメタバース|音声活用ブログ

2022.11.28

お知らせ

43 コールセンターと音声感情解析を組込んだメタバース

メタバース(仮想空間)を使ったアプリケーションが最近急速に広がっています。この発展に音声感情解析技術が大きな役割を果たすと思われます。このブログでは、当社の提携先であるイスラエルのNemesysco社の構想をベースに今後の動向を解説します。

大阪市のホームページでバーチャル大阪という仮想空間を公開しています。2025年大阪・関西万博に向けて国内外に大阪の魅力を発信しています。実際に現地に行かなくても大阪を知ってもらう為に、大阪をメタバース空間で紹介したり、この空間に入ってきた人々とコミュニケーションを取る為の空間です。

大阪市のホームページに公式サイトへのリンク(https://www.virtualosaka.jp)がありますので、クリックしますとVRサービス「Cluster(クラスター)」をインストールできます。これを使って無料アカウントを登録、自分のアバターをクラスターの機能を使って作ることができます。アバターが出来たらバーチャル大阪に入る事ができ、バーチャル空間で道頓堀や大阪城、梅田スカイビル、海遊館などを訪問することができます。写真撮影をしたり、アスレチックで遊んだりもできます。チャットを使って参加者同士で会話もできます。残念ながら現時点では音声での会話は出来ていないようですが、今後はバーチャル大阪内で音声会話を楽しむようになることを期待しています。誰でも会員になれますので是非トライしてみて下さい。筆者もやってみました。

実は筆者はある団体のDX推進のお手伝いをしているのですが、昨今のコロナの時代では人に集まってもらう事を避けたいので、メタバースで各種説明会や見学会を開催できないかと相談を受けました。最近は会社説明会をバーチャル空間で行う企業も出ています。今まではメタバース利用は「あつまれ どうぶつの森」のようなゲームの世界で使われることが大半でしたが、今後は、我々の日常生活で使われる機会が増えてくると思われます。

 

 

コールセンターはメタバースでサービスするようになる

このようなメタバースの普及状況を考えてみますと、コールセンターもやがてはメタバース空間内で行われるようになると思われます。AR眼鏡をかけてコールセンターメタバースに入れば、あたかも本当に面談しているように、目の前であたかも実物の商品や資料を見ながらコールセンターオペレーターのアバターと会話することが出来るようになるでしょう。メタ社(旧フェイスブック社)の「Horizon Workrooms(ホライズンワークルーム)」などの仮想空間システムやマイクロソフト社の「Microsoft HoloLens2」(頭にかぶるARディスプレー)を用いて仮想コールセンターを実現する試みもなされているようです。

 

 

音声感情解析抜きでメタバースを用いたコールセンターはあり得ない

しかし、問題は声です。仮想コールセンターで対応するオペレーターが本物の人間であれば、従来のコールセンターを単に仮想空間にしただけで、そのメリットは限定的でしょう。やはり、オペレーターをロボットにしてAI技術で生身のオペレーターと同様な対応をさせることを目指す必要があります。この時に重要なのが、AIロボットが相手(お客様や問い合わせしてきた生身の人間)の感情を理解し、その感情に沿った対応をする必要があるということです。こんなことができるのかなと思っていたら、当社がゴールドパートナーになっている技術提携先のイスラエルのネメシスコ社がすでにこれを目指して戦略的な動きをしていることを知らされました。

 

 

Emotion Logic社の設立

 

ネメシスコ社は今年の3月にEmotion Logic社を設立しました。これはまさにメタバース空間に関連したビジネス領域の広がりに対応したものです。当然、メタバースコールセンターを市場ターゲットにしています。親会社のCEOである Amir Liberman氏はある調査会社のインタビューに対して次のように述べています。

「Emotion Logicエモーション・ロジック社は新しい音声解析会社です。人工知能(AI)を使い人間の感情を検出及び測定し、メタバースの世界でのロボットとのコミュニケーションを改善することを目指しています。」

「Emotion Logic社は、私たちが 10 年以上にわたって概念化してきた、感情の理解と次世代の AI とのインテグレーションに取り組んでいます。 Emotion Logic社 は AI ベースであり、感情検出は、同社が行うことの 1 つに過ぎず、私たちの最終的な目的は、人間と同じように知覚する能力を備えた、本物の人間のような AI を可能にすることです。」

まさに、前述したようにオペレーターをロボットにしてAI技術で生身のオペレーターと同様な対応をさせることを目指しています。我々が思っている以上に早く、メタバースコールセンターの時代が来るかも知れません。


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