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36 説得力のある話し方を鍛える画期的な方法(1)(信頼されるコールセンターオペレーターを養成しよう)|音声活用ブログ

2022.08.09

コールセンターお知らせマーケット

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36 説得力のある話し方を鍛える画期的な方法(1)(信頼されるコールセンターオペレーターを養成しよう)

コロナがなかなか収束せず、在宅勤務が一般化してきました。ワークスタイルも従来から大きく変化し、営業活動や社内外の打合せでも直接面談する機会が減って、電話やネット会議を用いることが多くなってきました。またコールセンターではオペレーターがお客様と対応して説得力のある会話を行う必要があります。いずれも見た目よりも説得力のある話し方が営業活動や会議の成否を決めることになります。このブログでは説得力のある話し方を鍛える画期的な方法を2回のシリーズで伝授しようと思います。

メラビアンの法則

ブログ18でも述べましたが、「メラビアンの法則」をご存じでしょうか?内容は要約すると

 

話し手と聞き手とのコミュニケーションにおいて、表情や仕草などの「聞き手に与える影響度は視覚情報(Visual)」が55%、声の大きさや話すスピードなどの「聴覚情報(Vocal)」は38%、会話そのものの内容である「言語情報(Verbal)」は7%である。

と言うことです。これはカリフォルニア大学ロスアンゼルス校(UCLA)の心理学教授A.Mehrabian とM.Wienerが50年以上前の1967年に発表(1)した心理学実験の結果に基づくものです。「7-38-55」の法則とも言われます。またこの研究は「Silent Message」と言う本にメラビアン自身がまとめています(1971ISBN-0-534-00059-2)。この結果から営業研修では

    • 「第一印象は見た目でほとんど決まる」
    • 「話の内容よりも話し方やプレゼンのジェスチャーが大事」

であると教えることが多いようです。

 

しかし、これは誤解です。この実験は、言語、聴覚、視覚の3つの情報が互いに矛盾していた状況(例えば、私はあなたが好きだと悲しそうな顔や暗い声の調子で言う)と言う前提条件の下で、言語情報に感情(人の感じ方)を含む主題(好き・嫌い、楽しい・怖い、など)に関して聞き手がどの情報源を信頼するかと言うことを、米国女性の互いに知らない人たち同士で実験した結果です。この前提条件がいつの間にか抜けてしまい、上述した誤解が世間に出回ってしまいました。メラビアン先生御自身も自分の発表した実験結果が世間で誤って解釈されていることに憂慮を示しています(2)

メラビアンの実験結果から言えることは「見た目が全て」のような単純化したことでは全く無く、次の2点に要約されます。

    • 言語情報とその他の情報源(視覚、聴覚)との間に一貫性が無い場合には言語情報の信憑性が低下する。
    • 感情(人の感じ方)に関する言語情報に対しては視覚及び聴覚からの情報に基づき話し手の真意を判断する割合が増す。

言語情報とともに聴覚情報や視覚情報が意志伝達にとって重要であるとはいえますが、7-38-55と言う重み数値を過大に評価するのは避けたほうが良いでしょう。

 

テレワーク時代のメラビアンの法則

ここで、テレワークの時代におけるメラビアンの法則を考えて見ましょう。営業活動や会議をオンラインで行う場合、日本では、画面共有機能を用いてプレゼン資料(言語情報)を画面に大きく表示し、参加者の顔は小さな窓で表示あるいは非表示とするのが一般的な使い方だと思います。これは表情や身振りなどの視覚情報が意志伝達に余り用いられていないことを意味します。オンライン会議では、画面共有の資料からの言語情報と、説明者と質問者・コメンテーターの声による聴覚情報が重要になります。

では、このようなオンライン会議で説得力のある説明をするにはどうしたらよいのかを説明します。

 

  • 資料説明をするとき言語情報と聴覚情報に一貫性を保つ

資料での説明箇所で聞き手に感じてもらいたいフィーリング(ポジティブ、ネガティブ、等)と話者の声の調子(ポジティブ、ネガティブ、等)の一貫性を保つことが大事です。自社や自社製品の「売り」のポイントを述べている時に、ネガティブな声の調子で説明したのでは聞き手に自社や製品に良いイメージを持ってもらうことは出来ません。聞き手の感情に訴える言語情報を伝達するときには、話者から聞き手への聴覚情報と言語情報から想起される感情を一致させることが大事です。

 

  • 話者の話に聞き手が納得感を持って終わるようにする

以前のブログでも紹介しましたが、米国の詩人で公民権活動家でもあったマヤ・アンジェロウ(Maya Angelou)は次のように発言したことがあります。

「人はあなたが言ったことはやがて忘れてしまう、人はあなたがやったことも忘れてしまう、しかし人はあなたが感じさせたことは決して忘れない。」

筆者はこの言葉を固く信じていて、営業トークの基本はトークの最後にお客様が良いフィーリングを持っていただけることだと思っています。この為には上記1)のフィーリングの首尾一貫性が大事です。

 

まとめると、

 

「オンライン営業では話し手と聞き手の感情を一致させ、聞き手が良いフィーリングを持った状態で話を終える。」

 

ことが大切です。

 

コールセンターオペレーターの説得力向上の留意点

では、共有資料が無い状態で電話だけでお客様と会話するコールセンターオペレーターがお客様に対して説得力を持たせる為にはどうしたら良いでしょうか?これも首尾一貫が大事です。

 

お客様に感じて欲しい感情を想定し、それと同じ感情を含んだ声で話すこと。

 

例えば、筆者は孫にサブスクで毎月本を贈っているのですが、出版社のコールセンターに電話して本を頼みます。ある出版社のオペレーターは全く事務的で、買って欲しいのか欲しくないのか全く誠意が伝わって来ません。挙句の果て、サブスク申し込みの操作をこちらが間違えるとオペレーターが面倒臭くなっていることが感じられ、喧嘩別れしてしまったことがあります。しかし別の出版社のコールセンターのオペレーターの方は、「お孫さんに御本を贈るのはお楽しみでしょう!」と話してくれて楽しそうに話してくれ、こちらとしても楽しくなってつい高価な本を頼んでしまいました。感情の一致が大切なことを実感した瞬間でした。

 

次回のブログでは、音声感情解析システムを用いて話し方を鍛える画期的な方法を紹介します。

 

参考資料

1)Decoding of inconsistent communications (1967) Mehrabian A, Wiener M. J Pers Soc Psychol. 1967 May; 6(1):109-14、「Silent Message」(Mehrabian A, 1971 ISBN-0-534-00059-2)。

2)http://www.kaaj.com/psych/smorder.html

WRITER

都筑 一雄

都筑 一雄

ESジャパン株式会社
エグゼクティブアドバイザー

慶応義塾大学及び東北大学大学院で物理学専攻。修士課程修了後、日本電気(NEC)に36年間勤務。製品開発、システム構築、事業部運営、欧州合弁会社立上げ等、役割は変化したが一貫して音声関連の通信事業に関与。NEC退職後は滋賀県彦根市役所の行政情報化担当特別顧問を5年間務め、退任後、ESジャパン株式会社の設立発起人として創業に関与し現在に至る。