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音声活用ブログ

お客様のパーソナルキャラクターを知る

2022.11.08

Nemesysco社コールセンターお知らせテクノロジー

テーマ:

42 コールセンターの新しい潮流(2)  (お客様の性格が数分間の会話でわかります)

前回のブログでは、これからのコールセンタービジネスの発展の為にはお客様のパーソナルキャラクター(性格特性)を知ることが大事と書きました。このブログではお客様のパーソナルキャラクターを知りたいと言うニーズと、それをたった数分で知る方法をご紹介します。

人のパーソナルキャラクターを知るニーズは古代ギリシャの時代からあり、医学の父と言われるヒポクラテスは、熱血漢で野心家の胆汁質、思索的で神経質な憂鬱質、社交的で楽天的な多血質、おだやかで臆病な粘液質の4つの性格分類を行っています。また1970年代から80年代に流行った血液型性格判定も記憶に新しいところです。

我々は何故ひとの性格を知りたがるのでしょうか?心理学や社会学ではっきりした理由が確立しているわけではなさそうですが、多分、社会生活を営むには対人関係が重要で、このような性格の人とはこのように付き合うと上手くいくと言う経験則があるからだと思います。ビジネスの世界では、例えば人事部門では、うちの会社は○○タイプの性格の人は早期退職し易いとか、○○タイプと□□タイプの人を組わせると上手く仕事が運ぶなどの情報を蓄積していると思います。入社試験では多くの企業がSPI性格テストを入社志望者に受けてもらいますし、社内の昇進試験時などにも利用しているところが多いようです。

前回のブログで書かせていただきましたが、コールセンターでは「顧客ロイヤリティ」が最も重要であると言っても過言ではありません。このためにはお客様がコールセンターのオペレーターと会話して、良い印象も持って会話を終わらなければなりません。その為には、お客様のパーソナルキャラクターをオペレーターが認識して、そのキャラクターに合った対応をすることが効果的です。ではどのようにお客様のパーソナルキャラクターを認識するのかが問題となります。

コールセンターに電話をしてきてくれた、あるいはこちから電話して出て頂いたお客様にSPIテストをするわけにはいきませんし、前回のブログで説明したソーシャルスタイル(SS)理論やDiSC理論に基づく質問を長々とすることも現実的ではありません。コールセンターでのお客様との会話は短ければ数分で終わってしまいます。また1時間以上の長い会話になることもありますが、その間お客様の気分が変わることも十分に考えられます。あるオペレーターが同じお客様と過去何度も会話して、そのお客様の性格や好みを知り尽くしている場合以外は、お客様のとの会話で、そのお客様のパーソナルキャラクターを把握する必要があります。しかし、客様のパーソナルキャラクターを知るために、性格テストのような質問をするわけにはいきません。数分程度のほぼリアルタイムで短時間にそのお客様のパーソナルキャラクターを知る必要があります。今までは熟練オペレーターの勘と経験が頼りでした。しかし、その勘と経験を人生経験の全く違う新人オペレーターに伝授するのは非常に難しく、ほとんど不可能でした。

 

ほぼリアルタイムでパーソナルキャラクターを知る

 

しかし、ここで朗報です。当社がイスラエルのネメシスコ社の音声による感情解析ソフトをベースに開発したソフトウエアESASシリーズでは何とお客様との数分の会話でそのお客様のパーソナルキャラクターが相当の精度でわかります。

そんな夢のような話が本当にできるのかと、このブログを読んでいる皆さんは不思議に思うかも知れません。その秘密は正に企業秘密なので詳しいデータをここで開示する訳にはいきませんが、概要下記にを述べたいと思います。

  • どの性格タイプに分類されるか予めわかっている人の音声データを教師データとして大量に集めます。(これは当社の親会社であるCENTRIC株式会社が運営しているコールセンターの音声データを用います。)
  • 音声感情解析ソフトには感情要素を2秒毎に40種類程度出力される機能があります。教師データを用いて音声感情解析を行い、予めわかっている性格タイプの音声に対してどの感情要素の値が特徴的に出るのかを調べます。
  • そして、性格タイプと出力された感情要素の相関関係を示す式(統計学の用語では回帰式)を求めます。
  • いったん相関を示す式が求められれば、逆に音声感情解析の出力結果から、性格タイプが求められることになります。

感情解析は2秒間の音声データセグメントから感情要素の強弱を数値で出力するのですが、100セグメント程度の音声データから出力される感情データの平均値を用いて、相関を示す式に代入して、性格タイプを求めます。当社があるお客様と行ったPOCでは、質問票を用いて推定した性格タイプと、相関式から推定された性格タイプの一致率は約75%程度でした。さらに精度を高めるべく作業を行っています。

この方式を使えば、お客様のたった数分間の声でそのお客様のパーソナルキャラクターが相当程度推定できます。お客様のキャラクターがわかれば、そのキャラクターに合ったオペレーターに対応させる、今までの対応経験から得ているお客様キャラクター毎の対応方法ノウハウを使って、お客様がなるべく心地良くなるように対応し、お客様に良い印象を持っていただきロイヤリティを高めていただくことが出来ます。


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